奥秩父山中で二ホンオオカミを追っている人は案外多く存在します。
早稲田大学探検部OBの有志が参加している「二ホンオオカミ倶楽部」は奥多摩で。
三条の湯に集まった早稲田大探検部OBの人たち
探索地の棲み分けをするべく三峯山周辺を昨年春譲った「石川正人」さん。
毎月三峯山中に通っている石川さん
今泉忠明先生も先日戴いたメールから、奥多摩山中の動物層を調査しながらオオカミを追っている模様です。
今泉忠明先生の近影(StarPeopleから)
そしてもう一組、2012年10月18日「お尋ねします」欄で記した東京都下八王子市周辺在住の「誰か?」も奥多摩山中で。
清水一成さんも毎週の様に車中泊まりで、咆哮収録の為奥秩父に通っています
毎週の様に奥秩父山中に通う清水さん
オオカミ探し予備軍の方もそれ相応に存在します。
その中の一人、港区西麻布在住の神谷さんと6月21日(火)に山に入りました。
神谷さんは山登りもされる43歳・独身・自営業者ですので時間的にも経済的にも打って付けの人です。
奥多摩を二ホンオオカミ倶楽部に、三峯山を石川さんに譲り地域の棲み分けをした様に、広大な奥秩父も志の有る方と棲み分け出来れば、より綿密な調査が出来ると云う物です。
朝5:00、秩父市内の道の駅で待ち合わせ登山口に向かったのですが、出発直前雨の来襲に遭いまして、林道散策に急遽変更しました。
事前の予定は20日(月)入山だったのですが、予報が雨だったので翌日に延ばしたのですが、実際は20日晴天21日雨で、ツキに見放された格好でした。
旧大滝村の林道と云う林道の殆どを走り、最後にハンドルを向けたのは現在の主たる探索地域でした。
依然と続く小雨の中、体験例の多い山の中で「若しかしたら」の淡い期待が沸いて来たのですが、世の中そんなに甘くありません。
目撃地点A.B.C.へと車を走らせましたが、オオカミどころか鹿1匹出て来ません
中津川での目撃地点A
中津川での目撃地点B
中津川での目撃地点C
今日の一日は全てが外れ・・・とあきらめ出した頃、長靴を履きバケツに醤油入りのペットボトルを持っている人に出会いました。
雨の中キャンプをするとは・・・と、やり過ごしたのですが、帰りに再度出会いましたので声をかけました。
その人は埼玉県の依頼で鹿の捕獲駆除をしているForesters PRO と云う会社の社員でした。
埼玉県が行っている鹿駆除の標識
1ケ月前からその存在を承知していましたから、これ幸いと質問をしたのですが、2~3人のハンターで鹿を10頭捕獲した事を聞き吃驚してしまいました。
それも実働20日弱でです。
常々奥秩父は鹿の数が減っていると述べている私には大変な衝撃でした。
しかし鹿の捕獲が生業の彼らの考えと、私の考えは一致していました。
オファーが有れば何処にでも行く彼らにしてみれば、奥秩父の鹿は擦れていないので10頭捕獲できただけとの事。
他府県と比べると奥秩父山域での生息数は非常に少ないとの事です。
数日後からは他県で作業し、その翌月は更に他県、翌々月も他県を回り、数か月後秩父に戻って来る感じでした。
10年前、鹿の捕獲は牡だけと限定されていました。
しかし、駆除を重ねても一向に個体数の減少には繋がらなかったのです。
繁殖牡とその予備軍が連なっている鹿の生態中、牡を捕獲しても繁殖牡が代替わりするだけで、繁殖牝達は全く困らなかった訳です。
牝の捕獲が許可になって間もなく数が減って来たのです。
ちなみに駆除された10頭の鹿中牡は1頭だけだったそうです。
ところで、Foresters PROの方が持っていた醤油入りペットボトル。
何のために使うか想像できますか。
バケツの中にはペレット状にした干し草も入っていました。
貴方が二ホンオオカミで、「自分が生きるために鹿を捕らえなければならない」としたら、どんな考えが浮かびますか。
ただし、醤油を持っていたのは二足歩行のにんげんだったのですが・・・・・。