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Channel: ニホンオオカミを探す会の井戸端会議
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メグスリノ木

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一昨年のフォーラムで発表した咆哮ですが、鹿の研究者達は一様に牡鹿のラッティングコール(雄叫び)では無いかとしています。
Web上でも奈良公園で収録した画像、Green Copさんのサイトでも取り扱っています。
発表した咆哮と比べGreen Copさんのそれは余りに短か過ぎ似て非なる物的感がしますし、奈良公園でのものは見方によっては論外とも取れます。
あの咆哮が雄叫びだとしたら、死をかけてまで牝鹿に存在をアピールするのだろうかー捕食者である肉食動物にも聞こえている筈ーと、私は大きな疑問を感じているのです。
実際自然界では机上の理論で片付けられない、新しい発見が日々起こっています。

イメージ 1
ご覧の通り、自然界にはこんな事が有るのです
 
それらの疑問を一挙に解決する方法として、集音可能のカメラを設置し、咆哮を発する動物は誰なのか知る・・・と私は考えていました。
場所の特定はある程度出来ていますので、咆哮を発する鹿を収録すれば・・・・さもなくば発する正体が肉食動物であったなら・・・・。
昨年春からそうした思考の中、地権者に調査申請をしていたのですが、ようやく調査に漕ぎつく事が出来ました。
許可の前提条件として617日、カメラ設置山域を管理者同行で歩いて来たのですが、植物に造詣が深い同行者は色々の事を教えてくれました。

イメージ 2
7月初めカメラを設置する場所

オオカミの食料となる草食動物の食料として、目に留め置いて頂ければと思います。
 
カエデの仲間は葉が対生に付き、プロペラ状の翼果が付く事が条件で、日本に約30種ありますが、19種がカメラ設置山域内に見られるそうです。

イメージ 3
私たちが知っているカエデ・葉が対生です
対生でないものは互生

イメージ 4
カエデの種子・プロペラ状になっている

イメージ 5
これもカエデ(の仲間)だそうです。対生・単葉

小児の手の様な葉がカエデ・・・と思っていた私には衝撃的な話で、メグスリノ木はその最たるものでした。
その存在自体知らなかったのですが、小枝を取って説明してくれたのが以下です。

イメージ 6
これがメグスリノ木・対生・三出複葉

三出複葉(さんしゅつふくよう)で葉柄(ようへい)に毛が多いのが特徴で、実際に薬用として重宝している人も居るとの事でした。
また、ヒノキとサワラの見分け方は葉の裏側の気孔線がY字形がヒノキ、X字形がサワラと覚えるのだそうです。

イメージ 7
左、Y字形の檜・右、X字形のサワラ
 
説明を聞きながら、メグスリノ木の小枝を折って私に説明してくれる管理者の姿を、5年前の私に投影していました。
20122月に放映された「見狼記」の撮影時、命の大切さを夢中で話しながら「この雑草にも命が有ります」と云いながら、葉を折っていたのです。
管理者は植生としての説明でしたが、私の場合は全ての生物には命が有って・・・としたウンチクで、カメラも回っていました。
女性ディレクターに指摘され、初めて自己矛盾に気付いた私は、それ以降一層「いのち」の大切さ、生命の源を考える様にしています。

イメージ 8
私の矛盾を指摘してくれた「見狼記」のディレクターNさん
 
さて、先週皆さんに問いかけた「バケツの中の醤油のペットボトル」の件です。
「ペレット状の干し草に醤油をかけ鹿がそれをどの位食するか、鹿の生態、数を把握する為」との事ですが、私は、鹿を寄せるため・鹿が再度食べに来る所を捕獲する、言わば撒き餌的な要素も有るのだと思っています。

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