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Channel: ニホンオオカミを探す会の井戸端会議
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大願成就の予感

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11月最初の水曜日。
奥秩父山中の天気がYahooの天気予報に依ると、「午前中持ちそう」に変わっていたので、イヌの散歩を早めに片付け、山に向かいました。
山に連れて行く事が条件で譲ってもらったイヌですから、「散歩を取り止め山に連れて行こうかな・・・?」とも思ったのですが、家で留守番をさせました。
登山口の駐車場で準備をしていると雲行きが怪しくなってきましたが、「ここまで来たのだから・・・」の気持ちが勝り、歩き始めたのですが、15分の急登が終わり小さな峠に着いた時、デジカメを忘れて来たのに気付きました。
往復30分のロスでカメラを取りに・・・とも思ったのですが、「まぁ・良いか!」の甘えの中、先を急ぐ事にしたのですが、それが良かったのか悪かったのか・・・。

イメージ 1
我が家の「蒼穹」号・大きくなりました
 
踏み跡程度の山道に落ち葉が積もり歩きづらいのですが、そこは通い慣れた道ですから先を急ぎます。
アップダウンが少ない片道2時間のトラバースルート上に5台のカメラが設置して有りますが、1台目あたりから小雨模様と云うか霧が懸かり出したと云うか・・・22年前の秩父野犬遭遇時そっくりの空模様になって来ました。
その時フット、カメラが無いことに不安を覚え始めました。
何かが起きる・・・そんな予感です。
折り畳み傘も用意して来たのですが、片手が塞がるのが嫌で帽子だけ被る事にしました。
踏み外してしまうと100m近く転がってしまう場所もあり、傘を選択せずスキーのストックを両手にしたのです。

イメージ 2
ご覧の通りの山道で奥は滑ったら大変な所

イメージ 3
こんな感じが延々と
 
2台目は雨が当たり難い場所ですので、帰りに作業を・・・と思い3台目の場所に向かいました。
3ヶ月前カメラをクマに壊され場所移動した場所で、様子を早く確認したかったからでも有ります。
案の定3台目のカメラは、誰が触ったのか設置角度がずれていました。
クマならカメラが壊れている可能性が高いのですが、ずれているだけですから他の動物の可能性が考えられます。

イメージ 4
犯人はこのカモシカの様です

イメージ 5
クマならカメラが壊れています
 
メンテナンスの後カメラを定位置に戻し、15分位歩いて4台目のカメラに着きましたが、動作チェックをしても作動しないので、背中のザックから予備のカメラを取り出し交換せざるを得ません。
交換作業をしている時、5台目の方面がやけに騒がしいのに気付きました。
サルの集団が谷底全体を騒がせ、時々、イヌ科動物と思われるうなり声が混じるのです。

イメージ 6
カメラにはサルの姿が
 
そこまではやはり15分ですが直線距離だと100150m。
野生動物の脚では、ほんの少しの距離になります。
 
日頃、同行者の前では「オオカミが出たら左手を噛ませて、右手で首を絞める」とか云ってましたが、様子を伺うと相手は複数頭でこちらは一人です。
悪いことに、彼らが私に向かって来ても、デジカメを忘れて来たのでその姿を残す術は無く、私の記憶だけになってしまいます。
いざとなったら怖いもので、両手のストックを打ち鳴らしながら、恐る恐る5台目の場所に向かいました。

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5台目のカメラを設置した場所

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近くには山の神も
 
カメラ近くでストックをガンガン打ち鳴らしていると、サルの集団は逃げ去りイヌ科動物のうなり声は上に移動する様子が伺えます。
姿は見えなくとも私を威嚇するうなり声は続いているので、震えながらストックの音を強く打ち鳴らしていました。
素早くカメラメンテナンスを終わらせ帰途に着きましたが、当然、後方に気を配りながらの撤退でした。
そして、イヌを連れて来ていたらどうなったのか・・・そんな事も頭の中で反芻していました。

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見ていないので解らないですが、こんな姿だったかも
 
車に戻り、着替え終わって運転席に座り、安全が確保された状況に於いて、「うなり声の主を確認すべきだった」「デジカメがなくともスペアーのトレイルカメラが有ったじゃないか!」とか、色々反省点が出て来たのですが、先ずは安全第一・・・と云う事で、妥協点を見出した次第です。
帰宅後、「最後のカメラに当該の動物が映っているか?」の確認をすべくPCを開いたのですが、逃げ去るサルの姿を映しているだけでした。

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安心の中遠回りした栃本の関所は秋の盛り
 
後進を育てる為と間近に迫ったトークイベントの準備もあり、1.000件の映像分析はNPOの若い会員さんにお願いしたのですが、何が幸いするか・・・。
数日後、持参した分析詳細の説明―「鹿が3頭逃げる姿と、逃げる原因を作った咆哮が録られている」―を受けた私は唖然とし、云われるまま10月27日10時27分の映像「鹿逃げる、咆哮?」の映像を開けました。しかし、牝鹿・牡鹿・牡鹿の順に、勢いよくカメラの前を通り過ぎる姿が映し出されているものの、幾度聴き直しても咆哮は聴こえて来ません。ただ、分析者は自分のPCでは間違いなく聴き録れている・・・と自信を持って云うのです。とすると、私のPCの精度が問題有りだったのでしょうか。過去に映像分析した中、鹿が逃げる姿は幾度も幾度も目にしていますので、若しかしたら咆哮も入っていたのか・・・そんな気持ちの中、11月18日のトークイベントで白黒付けようと・・・。そしてその際、分析者の云う通り咆哮が録れているなら、同様の映像を大量のファイルから取り出し、再点検しなければいけません。大変な事になりそうですが、嬉しい悲鳴とも云えます。

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「鹿逃げる、咆哮?」のショット

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「片足の無い鹿」のショット・トラバサミにでも
 
イベントは13時30分,17時00分スタートと2回のトークでしたが、時間的余裕のある17時からの最後に件の映像を流しました。
「素晴らしい音響設備の中でこそ」だったのでしょうが、3頭の鹿が逃げ去る中、逃げる原因を作った(と思われる)咆哮が見事に聴きとれ、イベント参加者の中から「ウオーーー」と歓声が起きたのです。
11月最初の山行・・・・・この日は正しく大願成就の予感が感じられた山行だった様に思われます。

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イベント会場Chaabeeの内部

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イベント「私の中のオオカミ」パンフレット

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お陰様で大勢の皆様にお出で頂きました

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