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Channel: ニホンオオカミを探す会の井戸端会議
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30年前の御巣鷹-1

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御巣鷹の尾根に日本航空123便が墜落して30年経ってしまいました。
本年3月に紹介した柴田哲孝氏のオオカミ本『WOLF ウルフ』でも触れていますので、ご覧になった方は関連性を理解できるかと思いますが、あの事故と二ホンオオカミには深い関わりが有るのです。
WOLFウルフ』での記述は作家が相当アレンジしていますが、出所は私からの情報です。
 
19875月、両神山を家族で登った私は、山頂神社のお犬像から何かをを感じ、周辺の山々、人々に興味を抱き始め、
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両神山頂にて・マルチーズも一緒でした

山中に足を運べない時は書物を紐解き、地図を読んでいたのですが、或る日、山を越した上野村山中に「生犬穴(おいぬあな)」なる文字を見付けました。
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墜落事故10年後の上野村案内図

不二洞を始め村内には多くの鍾乳洞が存在する中、「生犬穴」は特に関心が深く、仕事の都合で実現したのは2年後の事になったのですが、案内図に引かれ立ち寄った村の教育委員会で戴いた「生犬穴」の書面に小躍りしました。
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生犬穴記念碑

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生犬穴の遠景

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生犬穴の中から
 
私も1回だけ洞窟に潜ったのですが、獲物を追って出るに出られなくなった他の遺跡と違い、生活窟として感じられる洞窟でした。
以下がその抜粋です。
 
【里から運ばれてきた梯子を使って広間に降りてみると、さすがの猛者どもも一瞬息を飲む光景にであいました。
松明の明かりに白骨の山が映し出されたのです。
後に、この骨はこの洞穴に住んでいたオオカミの食べものの残骸だろうと考えられ、この付近は「生犬の餌場」、「白骨の捨て場」と名付けられました。
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生犬穴の内部案内図

この骨はそれぞれが自宅に持ち帰り、親に内緒でしまっておきましたが、大掃除のときに見つかってしまい、川に投げ捨てたりしたため、現在は一片も残っていません。
この時の四人の青年の一人である滝上正一氏の談によれば、中には灰皿ほどの大きさの丸い形の骨もあったそうで、「もしやナウマンゾウの膝のお皿の骨では」とも思うのですが、今となってはただの想像でしかありません。
太古の上野村・群馬県地方にどんな動物が住みついていたのかを知る最も確実で貴重な資料となるものを、ことごとく散逸させてしまったのはなんとも残念なことです。】
 
名前の通り「おいぬあな」からは多くのオオカミの骨(と、思われる物)が出土し、かって群馬、埼玉県境の山域には多くのオオカミが生息していた事を示していました。
(村内の他の鍾乳洞の調査で、二ホンオオカミの骨の出土が確認されている)
荒川流域に多数存在するオオカミ神社を含め、これらの案件その他で、生存の調査をするなら秩父山域が最適と考えたのです。
 
柳内賢治氏の「幻の二ホンオオカミ」が出版されるのはその後の事ですが、氏の遭遇(1964年)と出版(1993年)の時間のはざまを惜しみはしましたが、3名の目撃体験に勇気付けられもしました。
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柳内賢治著「幻の二ホンオオカミ」
 
そんな中での事ですが或る日、見知らぬ人物から電話が入りました。
「川越在住の川邊」と名乗りまして、我が家と近い事もありその後川邊さんとは数年間オオカミ探しをご一緒する事になります。
 
川邊さんが言うに、「友人の友人が自衛隊員で、1985812日の日本航空123便墜落事故で、当夜奥秩父山中の捜索に向った。
埼玉、長野の県境・三国峠で捜索隊は2班に別れ、三国山(1.834m)経由で北方に向った隊は御巣鷹の尾根に到着したが、十文字峠方面に向った隊は45頭のオオカミの群れに遭遇した。」と。
 
事故が起きてから56年以上経っていたのですが、私は川邊さんに、目撃した自衛隊員に会える様手配をお願いしました。
残念ながら既に転勤済みで、機密事項も多い部署の事で、名前も行き先も不明との答えが返って来るだけでした。
 
199511月に生存をテーマに三峰神社で『二ホンオオカミフォーラム』を開催した際、多くのメディアが報道する事となりました。
それを快く思わない学識経験者の生存否定の主たる根拠は、「群れで行動するオオカミ達の、全て1匹の目撃談は不合理」・・・でした。
が、自衛隊員からを始め数件の群れでの目撃談、その他多くの情報を抱えていた私は、理論を振りかざすだけでフィールドワークの伴わない彼等に、哀れみさえ抱いていました。
 
翌年、秩父野犬の写真撮影を機に今泉吉典博士の門を叩く事になったのですが、博士の仰る【居ないと思った時に終る】(2012510日本欄掲載)は、生存否定論者に発信した言葉で、その後多くの生存情報を積み重ねる事になった私への「激励」だったのだと思っています。

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