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Channel: ニホンオオカミを探す会の井戸端会議
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オオカミの映像-2

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そもそも、私がVTR撮影に執念を燃やす様になったのは、「秩父野犬」撮影に成功してからです。
199610月に19枚の写真撮影をして、今泉吉典博士の鑑定書簡をベースに二ホンオオカミ生存を世に問うたのですが、写真は二次元的である為、期待した様な評価を得られませんでした。
イメージ 1
1996年10月14日に撮影した秩父野犬

その時、師に値する井上百合子さんから、写真では無く動く映像なら比較にならない程情報量が多く、正確に判断する事が可能になるのでは・・・と、アドバイスを戴きました。
 
それを聴いた私は1年前に拙宅を訪れた「山根一眞」氏の言動を思い起こして居ました。
199511月中旬でしたが、新潮社のシンラに連載する「動物事件簿」の取材で我が家を訪れた山根さんは、家庭用のホームビデオを持参し、助手の方に私とのやり取りを撮影させていました。
そして、その機能の優秀さを説明すると共に、オオカミ探しをしている私に所有する様勧めてくれたのです。
イメージ 2
山根一眞 氏-昨年の二ホンオオカミフォーラムにて
 
私の小遣いで何とか購入する事が可能な機器でしたが、その時迂闊にも、山根さんのアドバイスを右から左に流してしまったのです。
一生の不覚、後悔先に立たず!そのものでした。
その時の愚かさを糧に、20年近くVTRでの撮影に執着して現在に至っています。
 
20年の成果は皆さんご承知の通りです・・・と云えば簡単ですが、実は???の映像は何点か得ています。
ただ、秩父野犬みたいにすっきりした画像では無く、頭部が、尾が欠けていたり、遠く小さかったりで、提示しても良い結果を得られそうも無い代物なのです。
???の映像であっても、当然得られた場所周辺では増台し、今も複数の現場で複数のカメラが稼動しています。
 
情報の積み重ねを・・・と考えての事ですが、残念ながらそうならないのが現実です。
何処の現場も、Aboutな映像が1回きりしか撮れていないのです。
彼等の行動形態が判らない為・・・と考えていますし、前記の通り現在の市販のカメラ機材では、余程の幸運が重ならなければ難しい・・・と思っています。
山中の50台のカメラは―「下手な鉄砲撃ち、数撃てば当たる」-的な、言わば、《余程の幸運に巡り合う為に確立を高める手段》で設置しているのが本音です。
 
国立科学博物館在職中論文を数多く著し、今泉博士亡き後研究の第一人者とされている小原巌先生にして
「外部形態は判らない」と言わしめているのが、二ホンオオカミと云う動物の正体なのです。
イメージ 3
小原巌先生・二ホンオオカミ研究の第一人者

つまり、二ホンオオカミとはどんな動物であるか判っておらず、既存の剥製、毛皮標本から推測しているに過ぎないのです。
イメージ 4
オオカミとして江戸時代に描かれた絵

イメージ 5
「豺の絵ー明治9年3月下谷中徒町2丁目英人クラヤ方にて写す」と読める

イメージ 6
ヤマイヌとして描かれた絵

イメージ 7
富岡永洗の描いたオオカミ
 
ニホンオオカミの研究が始まったのは昭和5年頃でして、明治38年に最後の標本が獲れてから25年も経ていて、研究者の中でさえはっきりした形態、生態を知る人が誰も居なかったのです。
分類的にも、亜種であるか固有種であるか意見が分かれていますし、二ホンオオカミ=ヤマイヌであるか、別々の動物なのか・・・等々で、謎だらけの動物なのです。
 
前記《5》のカメラは行動形態―オオカミの通路―を把握しているなら非常に有効なセットになると思いますが、
外部形態が判らない動物の行動形態を知るには、地道に情報を積み重ねる事と、偶然の為せる業を期待するしか方法は無いと、今の処思っています。
 
秩父野犬撮影の後3年間は、現場の山域で血眼になって探し続けましたが、得られたものは目撃情報だけでした。
撮影同年1227日には至近距離での目撃が有りましたし、近辺で延べ4回、群馬県境の城峰山でも2回、そして昨年9月に親子連れ3頭の目撃情報。
イメージ 8
1996年12月27日に目撃した柿沼さん

リアルタイム的な捜索をした秩父野犬でさえ旨く行かなかったのです。
まして、現在私の下に届く生存情報は時空間的に大きな時差を生じていますし、市販のカメラは23年しか使用できない、云わば消耗品なのです。
イメージ 9
カメラ3で撮影したテンの写真

20年前に現在の状況―私に時間的猶予が有り、50台の撮影器材が揃っているーだったなら、動く映像が得られていたかも知れませんが、所詮《たら!れば!》の世界になります。
 
そして、VTR撮影に成功しても生存の証明に至る訳では決して無く、世間に一石を投じる事にしかならず、
最終的には個体の確保をする事でしか【生存の証明】は為し得ないのです。

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