埼玉県の最深部旧大滝村と長野県川上村をつなぐ中津川林道は埼玉県側は信濃沢に、長野県側は三国峠にゲートがそれぞれ有り、毎年11月末から4月末まで通行止めになります。
落石がひどく、バラストを踏んでパンクをする事が多いので、私がこの道を通る際は車のキャリアにスペアタイヤを積んで走るのを常としています。
また、林道が荒れると行政はすぐゲートを下げますので、奥まで行く時は秩父市大滝支所に電話をしてから行く事にしています。
NHK見狼記の取材でしたから4年前の事になりますが、信濃沢のゲートが閉じていて目的地まで行けず思案していたら、森から空のケージを持った中年の男が現れました。
周囲の雰囲気からかけ離れた様子でしたので声をかけましたら、男は悪びれもせず「家の近くの野良猫を捨てに来た」と、言うのです。
埼玉県内ナンバーのバイクに乗っていまして、度々捨てに来ているとの事でした。
唖然とした私達は帰り車の中で言葉を失っていました。
中津川の人里まではネコの足では到底不可能な距離ですし、男はそれを知って信濃沢までバイクを走らせたに違い有りません。
去る5月11日(月)、私は中津川山中のカメラメンテナンスに出かけました。
この現場だが、写真は昨年12月21日作業時
3台の作業が終り時間の余裕が有りましたので、木陰で横になっていたら、知らずの内に時間が過ぎてしまいました。
集落のはずれまで車を走らせていると、或る家の軒下に十数匹のネコが集まって、主から食を受けているのが眼に留まりました。
主は捨てられたネコに餌を与えているのが、その表情から伺い知れましたが、4年前のネコ達が信濃沢からはるばる辿り着いたのか、他の善からぬ者が集落近くで捨て、それが積もり積もった挙句なのか・・・・・・聞いても仕方無い事ですが、ホッとしたことは事実です。
多分中津川集落では、人間の数よりネコの数が勝っているものと思われます。
主である老女はいずれ命が果てる訳ですので、ネコ達に避妊手術が為されている事が望ましいのですが・・・。
20年前、二瀬ダムの近くで同じ様な経験をした事が有ります。
群馬ナンバーの軽トラックに積まれた大型犬のケージに土佐犬が居て、軽トラックはそのイヌを捨てる場所を探している処だったのです。
私の車を見かけた二人の男は、捨てる作業を中止し車を走らせましたが、今でも最も嫌な思い出の一つです。
犬を捨てるな!の看板。群馬・長野県境にて。
これも、雲取林道の最深部に向った20年前の事ですが、所沢ナンバーのクラウンが、狭い林道を猛スピードで走り抜けるのに出会いました。
危い車だ!と思いつつそのまま奥に向かいましたら、甲斐犬とビーグル犬が必死になって人里に向って走っています。
これを見て、クラウンが猛スピードで走り去る理由が判りました。
林道の最深部に行き、用が足りた私は元来た道を帰りましたが、途中、2頭の犬達が走り続けているのを、再度見てしまいました。
車の助手席には妻とマルチーズ、後部座席に大型犬2頭を乗せている私は、見て見ぬ振りをするしか有りませんでした。
いつも車に同乗していた我が家のマルチーズ
さて、5月11日(月)の帰り道、旧大滝村と旧荒川村の境近辺で、カーブにトラックが停車していて「危ないな!」と思いハンドルを切ると、対向車線のガードレール近くに動物の死体が在るのに気が付きました。
国道140号線ですから、毎日の様に動物の死体に出会います。
「何かな?」と思い眼をこらしますと、サルの親子で未だ生きている様子です。
母親は動けず、頭を上げていますが虚ろな感じで、事情を飲み込めない子ザルが母親の体を揺すって居るのです。
その場所はサルの横断箇所の様で、良くサルを見かける処です。
サルの足跡ー荒川源流に架かる釣り橋上にて
可能性としては、停車中のトラックに撥ねられ運転者が電話か何かで対応しているのだとも考えたのですが、そうでは無いとしたら・・・・交通量が多く車を停める事が出来ないのを言い訳に家まで帰って来たのですが、その時何をすべきか!私に何が出来る(た)のか!を含め今でも悩んでいます。