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Channel: ニホンオオカミを探す会の井戸端会議
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タテガミの在るニホンオオカミー3

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8年振りに上野村御巣鷹山域へ向かったのは、旧大滝村中津川林道のトンネル工事の為入山出来なかったのが主たる理由ですが、実はもう一つ理由が有ります。
昨年12月に『タテガミの在るニホンオオカミ-1』で記した【3年前の12月初め都合3度目の遭遇となった、色艶、耳介、尾の形状、体型等は秩父野犬そのままだったが、頭は大きく感じ、タテガミ状に毛が並んだイヌ科動物】・・・の現れた場所は長野県佐久市の田口峠周辺でした。
そこに4台のカメラが現在稼働中ですが、狭い範囲での設置でして、カメラメンテナンスに要する時間も1時間弱の為、1日の行程としては物足りなかったのです。

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19955月の田口峠

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この看板は当時のまま・現在は佐久市臼田
 
田口峠から上野村御巣鷹方面への道は、湯の沢トンネルを含め上野ダム建設工事の為整備され、簡単に行く事が出来る様になっています。
そんな訳で7月2日の御巣鷹山域3台設置となったのですが、上野村周辺でのオオカミ情報を今井興雄氏に話す中、田口峠での上記目撃談を交える事となりました。
すると今井氏は、「田口峠の件はオオカミと云うよりフジワラ犬では無いか!?」と言い出したのです。
勿論、フジワラ犬なる犬種は存在しませんが、私は今井氏が云っている事をすぐ理解しました。

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『川上犬保存会』作出の川上犬

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今井興雄氏と梓山犬五郎丸
 
多くの皆さんは理解困難でしょうから、その辺の事を説明しますと、
前号で【平成2年以降の川上犬は、血統書の乱発や雑種化により、純粋な犬が激減してしまい、平成22年より、川上犬保存研究会(『川上犬保存会』ではない)・十石犬保存会・純粋な川上犬飼育者の会の相互協力で繁殖を行って来た。そこで誕生した犬たちは、貴重な和犬でもあり、後世に継承されるべき犬である為、平成28年2月に、特定非営利活動法人梓山犬血統保存会の設立を申請、6月2日に認証・登記された。】・・・に繋がるのです。
つまり平成2年~19年5月までと、21年6月以降の『川上犬保存会』は、本来の梓山犬・十国犬から離れたイヌを作り、それを川上犬として市場に流した・・・と云う事なのです。

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平成223月発行の信濃毎日新聞

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『川上犬保存会』作出の川上犬
 
情報源の高橋はるみさんは現在、「NPO法人梓山犬血統保存会」の専務理事で、私が知り合った20年前は、川上村役場が発信する村のホームページで、川上犬の広報を担当していました。 
その後、平成19年6月~21年5月まで、『川上犬保存会』立て直しの為に、川上犬の生体及び血統書の管理等を行っていました。(『川上犬保存会』の事務局は森林組合内に在る為、神奈川県湯河原の自宅と川上村を往復し、川上犬の保存に力を注いだわけです。)

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長野県の天然記念物・川上犬規格標準書
 
20年程前、彼女は当時の『川上犬保存会』会長より胸毛の深い所謂『川上犬』を託され、飼育し、2007年春には三峯博物館で川上犬の特別展示会を催しています。
そうした中で、川上犬保存研究会のメンバーたちと知り合い、「十石犬保存会」の存在も知り、客観的に『川上犬保存会』の方向性(犬の純粋性)に疑問を持ったのです。

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『川上犬保存会』会長から託された高橋家の犬

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20075月に催された三峯博物館での展示会

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同じく三峯博物館での展示会風

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展示会で写真掲示された川上犬
 
「川上犬保存研究会」・「十石犬保存会」・「純粋な川上犬飼育者の会」等は、【日本犬保存会の創設者齋藤弘吉氏が、優秀な柴犬を求めて長野・群馬を歩いた際、群馬県黒川村 ( 現在の上野村 )に居た7歳の牡の梓山犬に一目惚れし、東京に連れ帰った】「十石号」を規範としています。
『川上犬保存会』が目指す所謂『川上犬』は「十石号」とは全く違い、国の天然記念物として指定されている6種の和犬(北海道犬・秋田犬・柴犬・甲斐犬・紀州犬・四国犬)とかけ離れた姿態になっています。

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齋藤弘吉氏が一目惚れした「十石号」

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「十石号」の流れを受けた五郎丸
 
これは初代川上犬保存会会長が亡くなった平成2年以降の、川上犬保存会会長等が、自らの著書内の文章と整合性を持たせるために、様々な犬種と掛け合わせた結果・・・・・らしいのです。
そうした掛け合わせの中で、「あまりにもタテガミの長い個体は、佐久市の田口峠や塩尻市の高ボッチ周辺に捨てていた」との話があり、実際に、付近でそれらの犬を拾い、飼育した人が何人もいました。
1995年5月に田口峠周辺でオオカミ探しをしていた、私の目に映った「この一帯に犬をすてるな!」の看板に、異様な思いを抱いたのは、ここに繋がったのです。
狩猟犬が飼い主から逸れた場合、通常里に下りて来ますが、猟能に優れたイヌの場合、稀に野生化すると云われています。

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あまりにも胸毛が深いと思われる川上犬

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6種の和犬とかけ離れた姿態・・・
 
4年前田口峠で「タテガミの在るニホンオオカミに遭った」とする体験談は、上記の件のイヌだったのか、さもなければ、狩猟中の『川上犬』だったのか・・・。
遭遇者は3件とも12月としていますから、猟期(11/152/15)としてはピッタリです。
【頭は大きく感じ、タテガミ状に毛が並び、(背)毛は良く見ると短かった。そして何より遭遇者は、オオカミと云うよりライオンだと思った。】と、私に伝えましたが、『川上犬』の或る一部の個体は、写真で見ると判りますがその通りなのです。

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胸毛が異常に深いと思われる川上犬
 
ところで、「田口峠の件はオオカミと云うよりフジワラ犬では無いか!?」と今井氏が云った件ですが、『川上犬』・『川上犬保存会』の詳細を知るには、川上村のHPを検索する事で可能です。
つまり『川上犬』の現在・将来を左右し得る大きな力を、行政の長である村長が持って居て、作出責任者として過去に於いても、自らの理想を叶えていたのです。
そして、村長の姓はフジワラで在るのです。

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上野動物園で戌年に展示された川上犬
 
尚、2017/12/9[ kaz*c*icksu ] さんから【福井城のオオカミはタテガミがありましたよね!】とのコメントが在った件ですが、あれはタテガミでは無く、換毛期ゆえの姿態ですので、お間違いの無いように。

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8月に捕獲された福井城址のニホンオオカミ



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