現在奥秩父山中に設置されているカメラは50台です。
10箇所に分けての設置ですが、その中の2箇所が東京大学の演習林でして、演習林利用者は毎年12月に発表会を行っています。
私も「絶滅したとされるCanis hodophilaxの生存を確認する作業」の演題で参加したのですが、秩父夜祭の当日でしたので、混雑を避けて早々に秩父を後にしました。
昼食をどこで摂ろうか少し考えましたが、前々から考えていて中々行けなかった入間市の「郷土料理ともん」に電話をかけて見ました。
昼の部の終了が13:30となっていましたから、ギリギリの時間になることを知らせ、閉めない様お願いした次第です。
急かせられるまま車を走らせ10分前に辿りつきましたが、料理が用意されていましたので、挨拶もそこそこ箸を進める事にしました。
訪問の主たる目的は川魚料理-特に鮎の塩焼き-を食べる為でしたが、それ以上に店主から山の話-新潟・群馬・長野県境の秋山郷-を伺いたかったのです。
入間市の入間川豊水橋たもとの、川魚・「郷土料理店ともん」。
入間市の「郷土料理ともん」
知る人ぞ知る、渓流釣りのパイオニア、山菜・きのこの達人、戸門秀雄さんのお店です。
しかし私は、正直言って2ケ月前まで戸門さんの事は全く知りませんでした。
渓流釣りも山菜採りも嫌いではないのですが、ニホンオオカミ一筋の私としては守備範囲としなかったのです。
このサイト、2016・7/30掲載の「渓流釣り師からの情報」、11/10掲載の「秋山郷からの便り」で紹介した、三田村さんからの情報で戸門さんの存在を知り訪問したのですが、ネット上の噂に違わず料理は天下一品、ご飯も絶品でした。
「郷土料理ともん」のお献立
私の田舎の味が漂いましたので「このご飯は何処産ですか」と伺いますと、予想通り「魚沼産コシヒカリ」の答えが返って来ました。
長年釣り及び山野に親しんだ生活を送っている為、戸門さんは10点近い著作物が有ります。
その中に新潟県内でのレポートも多く含まれ、魚沼コシヒカリの入手も可能だったわけです。
戸門秀雄氏
戸門氏の著作「職猟師伝」
戸門さんと名刺の交換をしている際、息子の剛さんが話に入って来て「今朝、見狼記を見たばかりですが、あの八木さんですよね」と云って来たのには吃驚でした。
戸門さんも剛さんも行動範囲は似ている様でしたが、剛さんはここ数年奥秩父への入山が主と云う事で、話が弾み過ぎて折角の料理も冷め加減になりました。
そんな中、料理のこと等どうでも良くなる様な話を始めたのです。
岩魚釣りの最中「オオカミの咆哮を聴いた」と云うのです。
私は間髪入れず何時何処での質問をしたのですが、釣果を纏めた分厚いアルバムを取り出し、正確な日時と場所を教えてくれるのでした。
2014.06.13.中津川の某沢で釣りをしている最中との事で、8/12に掲載した「オオカミが魅入った人」のKさんが教えたく無い現場(と思われる場所)に直近の沢で、少し古い話になりますが、2014.9.19の「ニホンオオカミは生きているような気がする」の高橋隆介氏の現場と一致します。
高橋隆介さんの目撃現場
6月13日として考えると、Kさんの体験は6/18ですし、2016.09.09.の「奥多摩・日原川支流倉沢にて」の渡辺さんの体験もその頃になります。
渡辺公一郎さん
渡辺さんの目撃現場
中津川流域での体験者が一人増えるだけではなく、絡み合った糸が一つ一つ解れて来ている・・・そんな気持ちにさせてくれる体験談です。
話が余りにも盛り上がって咆哮を聴いた際の詳細を聞き逃しましたが、山行への同行も希望されましたし、自宅からそれ程遠距離でもないので、時折伺う事となりそうです。
いずれ、生々しい体験談をお知らせしたいと思います。
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*幾度もこのブログに登場しているルポライターの宗像 充が、『ニホンオオカミは消えたか?』のタイトルで12月27日に出版します。
2年前東海大学出版部の【望星】で、【オオカミが来た】なるタイトルで6回連載した事はすでにご紹介済みですが、これを大幅に改定しての出版です。
本人曰く「ニホンオオカミに関する議論をなんとか整理しようと思ったんのですが、なかなか困難でした。議論の試金石になればと思っております。」
・・・だそうで、出版社は旬報社、1400円です。
費用対効果は得られそうな価格ですので、皆さんお手元に1冊如何でしょうか。
宗像 充 さん
【オオカミが来た】が掲載された「望星」
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私事で恐縮ですが、去る12月7日、義母 小山あい が94歳で、天の国の人、最愛の夫小太郎 のもとへと旅立ちました。
つきましては新年のご挨拶を失礼させて戴きます。
本年中のご厚情を深謝いたしますと共に、明年も変わらぬご厚誼のほど宜しくお願い申し上げます。
また、寒さに向かう折からご自愛致す事お祈り申し上げます。
2016年12月
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